電気工事士は、独立することで年収1000万円を目指すこともできる夢のある仕事です。
独立を目指して業界へ足を踏み入れる方も多いと思います。そこで気になるのが、独立を目標としたときの下積みする企業の選び方ではないでしょうか。
大企業に就職?町の個人店で力をつける?
結論から言うと、独立を目指しているのであれば個人店がおすすめです。
今回は、電気工事士として独立するなら個人店がおすすめな理由と大企業をおすすめしない理由を紹介します。個人店で働くデメリットも紹介するので、独立を目指されている方は参考にしてください。

大企業じゃ電気工事士の独立は無理?

独立するなら個人店がおすすめと言いましたが、大企業から独立できないかと言えばそうでもありません。
大企業で働いておいた方が優位になることもあります。
メリット
大企業で働くメリットを紹介します。
業務環境が良い
働き方改革の影響もあり、現場のお仕事も業務環境が良くなり始めています。
この動きは大企業の方が顕著であり、勤務時間が決まっており休みもしっかりとれるため資格取得の勉強に時間を割くことができるでしょう。
開業資金が溜めやすい
資格や経験がなければ最低賃金に近い金額での雇用となってしまうのに対して、大企業では他業種と大差がない収入を初任給から受け取ることが可能です。
また、昇給についても大企業の方がシステム化されているので収入を増やす方法が明確化されています。
開業資金をためる観点でいえば、大企業で働いておいたほうが良いでしょう。
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育成環境が整っている
最近は多くの企業で資格取得支援などが導入されていますが、やはり大企業の方が手厚いフォロー体制があります。
電気工事士だけではなく、施工管理や電検といった資格でも対象となることが多いです。
また、試験料だけではなく参考書の購入代などを補填してくれる企業もあるため、資格取得の勉強をするためであれば大企業の方が良いでしょう。
電気工事士の独立に大企業をおすすめしない理由
大企業で働くメリット
- 業務環境が良く、時間確保が容易
- 初任給が高く、開業資金をためやすい
- 育成環境が整っており、資格取得がしやすい
大企業で働くことで生まれるメリットもありますが、デメリットもあります。
むしろ、独立を考えているのであればデメリットの方が仕事に直結することが多いです。
大企業をおすすめしない理由を紹介します。
業務範囲が絞られる
電気工事士の仕事は、電気設備の工事や保守などをすることがメインとなります。
しかし、独立するのであれば現場での仕事だけしておけば良いというわけではありません。
営業・会計・仕入れ・管理なども行う必要が出てきます。
多くの大企業では、業務効率化のために分業制をとっていることが多く現場以外の経験や知識を得ることは難しいでしょう。
ジョブローテーションなどで他の職種に異動できる企業もありますが、短期間での異動は難しいため必要な経験を得るためには時間がかかります。
独立後との環境格差が大きい
独立後にいきなり社員を抱えることは難しいため、多くの場合一人親方からスタートとなります。
一人で受け持てる業務範囲は限られるため、大企業が取り扱うような大きな案件に参画することは難しく現場のギャップを感じるでしょう。
職場環境も自ら整えていく必要があり、穴掘りなどお手伝い的作業等やることも増えるため環境格差を感じてしまうかもしれません。
独立の決心が揺らぐ
大企業では、案件が途切れることなく安定して働くことができます。
安定している生活を捨てて、不安定な独立をするには勇気がいるでしょう。
独立を目標としていても、大企業で落ち着いてしまう方も多いようです。
電気工事士の独立に個人店をおすすめする理由

私が、独立を目標とするなら個人店をおすすめする理由を紹介します。
経験を積みやすい
個人店においても現場仕事がメインなのは大企業と変わりませんが、はっきりと分業されていることは少ないです。
エアコンの取り付け~施設の電気工事まで幅広く経験することができるため、独立後に対応できる仕事が増えます。
親方にお願いすることによって、営業や仕入れの経験も積むことができる可能性もあるでしょう。
独立後との環境格差が小さい
個人店では、大企業ほど職場環境を整えることは難しいですし、大きな案件に参画する機会も少なくなります。
ここは、独立後も同様となるので環境格差は小さいでしょう。
親方の経験と人脈を活かせる
1代目の親方であれば、独立した際の経験。2代目3代目であっても、営業など現場以外の経験を聞くことができます。
自分が独立した際のイメージを持つことができるので重要なことです。
また、最初は親方の現場に助っ人として呼んでもらったり、人脈をお借りして紹介をもらうなど独立後の仕事基盤を支えてもらうこともできるでしょう。
電気工事士として個人店で働くデメリット

独立のためには個人店を進めていますが、デメリットもあるので確認しておきましょう。
企業によっては激務になる
勤務する企業によっては、激務になってしまい独立準備や資格取得の勉強がおろそかになってしまう可能性はあります。
資格が取れないと電気工事はできません。
場合によっては、下っ端の仕事ばかりで電気工事士としての経験を積むこと自体出来ないかもしれません。
開業資金が溜めにくい
個人店の初任給は、初心者(資格はあっても実務経験がない方も含む)であれば最賃に近いことが多いです。
生活費とちょっとした娯楽費でお金が無くなってしまう場合があるため、開業資金をためることが難しい面もあります。
親方・企業規模により業務範囲が変化
個人店の場合は、仕事のほとんどを親方の人脈によって取ってきます。
人脈に偏りがあったり、親方が持っている資格によって対応する仕事にも偏りが起きてしまう場合があります。
企業規模によっても、参画できる案件が変わるので注意が必要です。
電気工事士として独立するために個人店ですべきこと

電気工事士として独立するためにやっておきたいことを3つ紹介します。
資格の取得
電気工事士資格の取得は、絶対にしておく必要があります。
当然ですが、電気工事士の資格がないと仕事請け負うことができません。
電気工事士2種の取得はもちろんですが、できれば電気工事士1種・電検・施工管理などの資格を合わせて取得して置ければ業務範囲が広がるのでおすすめです。
資格の取得方法はこちら
現場仕事以外の知識と経験
せっかく個人店で勤務しているなら、現場以外の仕事についても親方にお願いして経験しておきましょう。
特に営業は、独立してから苦戦される方が多いようなので経験しておいて損はないです。
開業資金の貯蓄
電気工事士として開業するには、300万~700万程度の資金が必要だと言われています。
工具や車両費などが必要な仕事ですので、開業資金は多めに用意する必要があるでしょう。
開業融資などで補填することは可能ですが、ランニングコストも考えると開業前にある程度貯蓄しておいたほうが良いです。
個人店の選び方
残念ながら明確な選び方はありません。
なぜなら、個人店の場合はHPがないことが多く会社の情報が少ないためです。
実際、面接などで親方に会ってみて相性を判断するしかないでしょう。

新興企業であればHPがある会社も多いですよ

独立を目指して個人店で修業しよう
安定を求めているなら大企業で働くのもおすすめですが、独立を目指しているのであれば個人店で短期的にガッツリ学びましょう。
独立1年目で年収600万を超えた方や、年収1000万を超える方もいる夢のある世界です。
独立目指して頑張ってください。
個々のメリット
【個人店】
- 現場に限らず、幅広い経験を積める可能性がある
- 独立後とのギャップが少なく、モチベーションを保ちやすい
- 親方の経験・人脈を生せる
【大企業】
- 業務環境が良く、時間確保が容易
- 初任給が高く、開業資金をためやすい
- 育成環境が整っており、資格取得がしやすい
個々のデメリット
【個人店】
- 激務により開業準備が進まない
- 薄給で開業資金が溜めづらい
- 仕事範囲が企業に依存する
【大企業】
- 業務範囲が狭く、独立後に請け負える仕事が減る
- 環境格差が大きく、ストレス負荷が大きい
- 安定を捨てる覚悟が難しい